土浦信(つちうら のぶ 1900-1998)
吉野作造の長女として、本郷に生まれる。誠志小学校、東京女子高等師範学校附属女学校、アテネ・フランセで学び、1922年に土浦亀城と結婚。翌年亀城とともに渡米し、フランク・ロイド・ライトのもとで建築を学ぶと同時に、通信教育で設計の基礎を学んだ。ライトの日本美術コレクションの整理なども手伝い、ライトから「ビッグ・リトル・ノブ」と呼ばれるほど親交を深めた。
帰国後、日本初の女性建築家として、個人または土浦亀城との協同設計をとおして昭和初期の日本の住宅改良に貢献した。しかし、1937年頃より建築界を離れ、写真や抽象画の分野で活躍した。
1935年(昭和10年)に完成した二つ目の自邸「土浦亀城邸」は、白い箱型のモダニズム建築でありながらも、ライト独特の流れるような空間構成が基調をなしており、現在東京都有形文化財に指定されている。
信個人の作品
1929年 朝日住宅設計モデルハウス
土浦亀城との協同設計による作品
1930年 谷井邸
1930年 大脇邸
1931年 五反田の自邸
1935年 土浦亀城邸
(AT)